反塚先輩が必死に鉄也を止めても、鉄也の足は止まらない。
「テツのためにこれも撮ってきたから!これあげるからとりあえず俺を踏むのやめて!」
「あ?これ……」
反塚先輩が鉄也に渡したのはさっき二枚になったのと同じチェキだった。
そこには上目遣いで照れ笑う大河がピンで写っていた。
それを見たテツは一瞬ニヤリと笑う。
「木嶋センパーイ!練習しましょう!練習!」
そしてすぐに写真を隠し、木嶋先輩の方に上機嫌で駆け寄っていった。
鉄也、分かりやすすぎ。
「反塚先輩、こうなるのを見越して大河のピンのも撮ってきたんですか?」
「そ。さすが反塚先輩だろー?
……まさか俺の部分が踏まれるとは思わなかったけどな」
ピースとウィンクでポーズを決める反塚先輩。
相手の攻撃を読むのが得意な反塚先輩。
鋭い観察力と合わせれば、その能力は試合ではいつも大活躍で。
それを日常的にも使っているなんて……
同じセッターとして怖いな、これは。
俺は反塚先輩に、尊敬と恐怖の気持ちを同時に抱いた。
【side end】



