【side 兼田】
指先で空気を押すように軽い力でボールを上げる。
上がったボールはスパイカーの手に吸い寄せられるようにして打たれ、勢いよく床へと音をたてて落ちる。
最後の一人がスパイクを打ち終わると鳴り響く笛の音。
「よし、15分休憩!」
木嶋先輩の掛け声でそれぞれ散って休憩をする。
「はい、兼ちゃんのタオルとドリンク!」
「ありがとうございます」
向坂先輩からタオルとドリンクを受け取り、汗を拭き取る。
いつもと変わらない部活風景。
ここ二週間くらいは約一名の調子がおかしいくらいで、あとはいつもと変わらない。
「……兼田、あれはどうにかならないのか?」
「…俺には無理ですよ。あれを解決できるのは一人だけです」
さすがに二週間もあぁだと木嶋先輩も困ってる。



