ラヴに入ると、尋人さんはテーブル席に座る一人の女子高生と楽しそうに話してた。
その女子高生は見たことのある後ろ姿だった。
「……麗さん?」
「…ん?…あ!澪ちゃん!にその友達ちゃん!」
「お、いらっしゃい!澪に未来ちゃん」
小声で言ったのに麗さんは気付いてこっちを振り向いた。
そして輝かしい笑顔で手を振る。
そのまま麗さんに「ここ座りなよ!」と言われ、言われるがままにあたしと未来は麗さんの向かい側に座った。
尋人さんにカフェラテ二つとあたしはショートケーキ、未来はチーズケーキを注文した。
麗さんは勉強してたらしく、参考書を閉じていた。
「…勉強ですか?」
「あ、そうそう。部活休みの時くらいしかゆっくり出来なくてねー。
春高終わってからじゃ遅いし」
麗さんは苦笑いを浮かべてブラックコーヒーらしき飲み物を飲んだ。
ふと隣の未来を見ると、若干緊張してるようだった。