こいつ、俺の嫁。





「て、テツ……!」




そこにはいつものヘラヘラしたテツじゃなくて、バレーをしてる時のように鋭い目つきをしたテツが立っていた。



テツはチラッとあたしの方を見た。
あたしは赤くなった顔を見られたくなくて、慌てて俯いて置かれている食器を洗う。



「食べ終わったの!?」


「……あぁ」


「この後はストレッチするの?だったらあたし手伝うよ!」


「…いい、兼ちゃんに頼むから」




初めて拒否された。




驚いて顔を上げたけど、そこにテツはもういなかった。




テツ、なんか怒ってた。




なんで?あたし何かした?




あんなに怒ってたのも、拒否されたのも初めてだからどうしたらいいのか分からなかった。




頭の中は何も考えられなくて、蛇口から出る水の音だけがやけに響いて聞こえた。