「もしかして寝坊して、今来たところ?」
「………………ッス…」
す?
うっすってこと?
頬もわずかに赤いし、肯定してるんだよね?
なんか見かけによらず可愛らしい人だな。
でもこれはチャンスなのではないか?
道案内してくれるチャンスなのではないか?
「これから体育館行くところ?」
「………………ッス…」
「あ、あのあたしも行くところなんだけど、道が分からなくて…一緒に行ってもいい……ッスか?」
なぜか三輪田くんの口調につられてしまった。
すると三輪田くんはコクりと頷いて「……こっちッス…」とオッケーして案内してくれた。
そこで三輪田くんにあたしのことを名乗ってないのを思い出す。
「あ、名前も言わずにごめんね!
あたし大河澪って言うの!さっき言ったテツとは幼馴染みで、高校一年です!
三輪田くんと同じ学年だから、敬語なしでいいよ!」
初対面で敬語なしでいいよなんて何様だとか思われるかな……
でも返ってきたのは予想外の答えだった。



