由美子さんは手を止めずに時計を見た。
あたしもつられて時計を見ると、もうすぐ10時になろうとしてた。
「あら、もうこんな時間!
澪ちゃん、ちょいと差し入れにアイスと冷たいドリンク持ってってくれるかい?」
「はい!行きます!」
クーラーボックスにアイスとスポーツドリンクを詰めてる由美子さんを手伝って、すっかり重たくなったクーラーボックスを担いだ。
想像以上の重さに足がふらつく。
「い、いってきます…!」
「大丈夫かい?ゆっくりでいいからね!」
心配する由美子さんに大丈夫ですと返事をして食堂を出た。
出たはいいものの…………
「体育館…どっちだっけ」
由美子さんに簡単に教えてもらったけど、クーラーボックスの重さに集中したらアッサリ頭の中から消えてしまった。
確かこっちだったような。
なんて鋭くもない女の勘で角を曲がる。
「わっ!」
曲がるといきなり何かにぶつかって尻餅をついてしまった。
柱にぶつかってしまったと思って見上げるとそこには長身の男性(ヒト)がいた。



