上映終了。
「……ハァッ…ハァッ…最後に飛び出してくるとか……やめてよ…ほんと……ハァッ」
「まじ面白かったな。映画も澪の反応も」
つか、ホラー映画見てこんな息切れしてる奴初めて見たわ。
そう言ってテツはあたしを見ては楽しんでいる。
あたしだって映画見て息切れしたの初めてだわ。
「これ絶対夜眠れなくなる……
眠れなかったらテツのせいだからね」
「じゃ、俺が一緒に寝てやるよ」
「あー、今日はよく寝れそうだな~」
「…チッ」
棒読みで言えば舌打ちをするテツ。
いつもの感じなのにそれが何故かおかしくて、つい吹き出して笑った。
「やーっと笑いやがった」
「…え?」
テツにぎゅっと抱き締められる。
子供をあやすように優しく背中を撫でられる。
「…気にすんなよ。
俺にはお前しかいねぇから」
密着した体を少し離してテツを見上げれば、テツは優しく頬を撫でる。
もしかして映画鑑賞と見せつけて、あたしを元気付けようとしてくれた?
あたしを真っ直ぐに見つめるテツの瞳はいつもの意地悪な感じじゃない、優しい瞳。



