するとテツは周りをキョロキョロと見渡して何かを、いや、誰かを探している。
やばいな、これは恐らく……
密かに逃げようかと思ったらそれよりも前に目が合ってしまった。
「みーおー!」
あたしの名前を呼んで手を振ってくるテツ。
バカ!そんな大きな声で呼べば…………っ!
当然周りにいた女子の視線はあたしの方を向くわけで。
「あれが噂の彼女?」
「めっちゃ可愛い子かと思ったら、普通だね」
「それ!黒岡先輩の彼女とかいうから、モデルみたいな子かと思ったし」
「あのマネージャーの方が可愛いよね」
「私狙っちゃおうかなー、黒岡先輩」
「……っ」
「あ、澪!」
その場にいられなくて思わず走り去る。
階段の下の死角になるところに入る。
分かってる。
あたしは可愛くもないし、モデルみたいにスタイルもよくない、何もないなんて一番自分が分かってる。
でもそれを人に言われると辛い。



