「澪見に来るだろ?てか来い」
「強制かよ!
…出店が空けばいけるけど……あたし調理班のリーダーになっちゃったからな~…んー……」
「来れば俺のかっこいいとこ見れるよ?
惚れ直すよ、ぜってぇ」
行ければいいなと悩んでいれば、テツは顔を覗き込んで来い来いアピールをしてくる。
惚れ直すって、あたしはいつだってテツに惚れ直してるのに。
「……し、仕方ないから…見に行ってあげなくもない……よ」
テツとは反対側へと顔をそらす。
すると隣を歩いていたテツがいきなり止まった。
手を繋いでいたあたしも当然止まってしまう。
腕が突っ張って前のめりになる。
「…澪可愛すぎ。持ち帰って前夜祭してもいい?」
「いいわけあるか!」
なんていういつものつっこみは、すっかり暗くなった閑静な住宅街に響いた。



