「それがどうしたの?」

「いや〜、私この空海(ブルー)くんが大好きでさ〜!」

ギュッと漫画を抱きしめる麻奈葉。


空海(ブルー)くんは漫画の男主人公である、奇術師見習いの青年。

銀髪と碧眼が美しい外見なのに、奇術師(ピエロ)を目指すというギャップから、この作品のキャラの中でもトップの人気を誇ってる。

「あぁ、まぁ私も好きだけど」

「ね!カッコイイよね!」

「以外だなぁ、麻奈葉こんな趣味だったっけ?」

今まで麻奈葉は、ショタ系の可愛い男の子が好きだった。

どういう心変わり?

「うん、なんか……私こんなだからさ、強くていざって時に守ってくれたり戦ってくれる人も良いなって思うの。人間として憧れてる感じ?」

入院用のパジャマに身を包んだ自分を指さす麻奈葉。

「なんか良くない?そういう頼れる感じの男の人」

「そういうもん?」

正直私は、少女漫画は麻奈葉と話を合わせる為に買って読んでるようなもんだから、そういう目で見たことがない。

「うん、私は憧れちゃうな〜」

そういう麻奈葉は、いい感じにニヤけてて可愛い。