なのに、頑張ってる。

「……野々市さん、こんな俺見てても引いたりしないの?」

「何で?成海くんは『少女漫画系男子』の異名持ってるけど、感情がある人間でしょ?多少感情が高ぶったり疲れてストレス溜まるんだから」

玩子だって男子の前と私の前じゃ態度が違うし。

『この人はこうじゃないとおかしい』なんてレッテル貼りつけるなんて、軽く拷問だよ。

「自由にしてれば良いと思うよ?私みたいに周りに迷惑かけない程度に」

気が抜けたような顔で、成海くんは顔を抑えた。

「……っあー、何か調子狂う。……君も何か頼めば?」

「マジすか、ゴチになります、師匠!」

「いや、奢らねぇよ?!」

「冗談冗談、にひひっ」

私は弟子入り記念と称し、チェリーケーキを注文した。(もちろん自腹)