「向山」 不意に葉月に声をかけられた。 「なに?」 「あのさ」 「ん?」 「お前っ「あっもう4時56分だ!」」 葉月の声と滝沢の声が混ざってよく聞こえなかった。 「向山走れ!あと4分で集合時間だぞ!」 滝沢に言われて私は駆け出す。