規則正しい寝息が聞こえる。騒がしかった歓迎会が嘘のように静まり返ってしまった。
どうやら今回俺の飲ませすぎが原因らしく飲みすぎた愛理さんは気持ちが悪くなって今に至るっつうわけだ。
「本気で寝てやがる」
ツンツンと優さんに寄りかかって寝ている愛理さんの頬を突く翼さんはいつもよりも優しい瞳をしている。
「凄いねえ、騒がしくしておいて本人爆睡なんてよっぽど図太い神経してんだろうな」
愛理さんの頬を突いた翼さんの手を止めて空さんが言う。図太いのか何なのか。
「けど愛愛はやっぱ凄えなー!こうやって俺らといるのに安心して寝てくれてる」
隼人さんはあれだけ女が苦手だったはずなのに今じゃ愛理さんの頭を嬉しそうに撫でていて。
「ん……」
身動ぎした愛理さんを抱きとめている優さんは幸せそうな表情だ。
「いやーしかし……」
優さんは腕の中で眠っている愛理さんをチラリと盗み見てから片手で顔を覆い嘆息した。その顔は心なしか少し赤いように見える。
「あの顔は反則やろ…」
静かに呟いた優さん。そんな優さんを見るのは久しぶりな気がする。