その後をあたしもゆっくりと追いかけブルーシートへと腰を落とした。



この豪華なお弁当は誰が作ったのか分からないけど見た目からしても凄いのに口に含んだら驚くほど美味しかった。高級料理って食べた事ないけどきっとこんな味がするに違いない!誰だ作ったの、是非教えていただきたい。



周りを見ればそれぞれ重箱を囲むカラフルなヤンキーズはお弁当の中身をワイワイと騒ぎながらも取り合っていた。最初こそ良い子に楽しい談笑を交わしながら盛り上がっていた場はあっという間におかしな状況に。



ふわりと香るこの匂いはまさかお酒では無かろうかと思った頃には既に宴会場と化していた。



「ぎゃははははは姉さんさっきの演説最高だったっす」


「俺もっす!さすがです!尊敬しました!」


「優さん達が認めるだけありますって!」



バシンバシン、名前も知らぬヤンキー達に肩を盛大に叩かれて今にも脱臼しそうだ。物凄く痛い。衝撃で前につんのめる形になって、慌てて体勢を戻すを繰り返す。




暫く経てば場所もそれぞれバラバラになっていて、優達もそれぞれ別のブルーシートでカラフル軍団に囲まれて話している姿が遠くに見えた。



下らない話でゲラゲラと笑う姿は高校生にしっかりと見えた。あたしが子供だからか、大人に見える事の方が多いけれど。



「あの!愛理さん、ジュース注ぎます!」




紙コップに口をつけようとしていた最中、突然隣のヤンキーに声をかけられた。見ればいつの間にか紙コップの中身は空っぽだった。まるで狙ったようなタイミングだな。



「あ、ど、どどどうも」


「あ!敬語なんて使わないでくださいよー俺のが年下なんスから」



声をかけてきたヤンキー君はにこにこと満面の明るい笑顔を浮かべながらも飲み物が入ったペットボトルを軽々と片手で持ち上げるとあたしの方へと傾けた。



紙コップをおずおずと両手で差し出し、受け止める。