きっと皆があたしの事を少しでも信用した時に裏切って傷つけるようなら関わらないでほしいんだと思う。
後は…もしあたしに何かあった時、優先するべきはお前じゃないとも聞こえた。どちらかと言えば空からしたらあたしはどうでも良さそうだ。もしかしたら「ほっておけばー?」そう言うくらいに。
だから自分に何かあった時、自分でなんとかできる覚悟が必要なんだと。
それくらい恐ろしい場所なのか。
身を引きながらもふと考える、頭は酷く冷静だった。
視線をテーブルへと落とす。オムライスは隼人くんのも優のも翼のも残ってはいなかったけど、空のだけはたくさん残ってた。あんまり手をつけられていない事に少しだけ悲しくなる。
「空はさ、何に怯えてんの」
視線を上げて聞いてみる。こんな事が言いたかったわけじゃないんだ。だけど何故かほんとにポロっと口からでた言葉。
言った自分もびっくりしたけど空も翼も優も隼人くんも驚いた顔をしている。
数秒間、空は可愛らしくきょとんとした表情を浮かべていた。あたしの言葉を理解しようとゆっくりと瞬きをし、理解した後、「……」無言の威圧。
ぎゃあっ!!やばいよ やばい。たぶんある意味図星だったんだ。地雷踏んだよあたし。
「俺のどこが怯えてるって?」
ぎちちちち!!!あたしの手首をこれでもかと言うほどに握り絞める空に「ひいいいいいっ!」悲鳴を上げて仰け反る。骨が粉砕される!!!痛いっす痛い痛い痛いって!
めっちゃ怒っていらっしゃる。目からビーム飛んできそう!
「間違った!言葉のあや!!!痛いいいいい!怖いいいいい!!」
ひぃぃなんて情けない声をだして後ろに後ずさる。さすがに慌てたらしい優と隼人くんがあたし達の間を裂くようにして手を伸ばした。優が空の手をあたしの手首から離させる。危うく粉砕されるところであった。ふー。