「お姉さんの本心は何なんだ」



空の冷たい視線があたしを射抜く。



ギシリ、背もたれに背を預けた音がする。あまりに冷たい視線だったため、ついつい逸らしそうになった。ただこんな時、妙な負けん気が働いて逸らしそうになった視線を慌てて相手に縫い止める。



「あたしの本心……」



誰も何も言わず静かにあたしを見つめてる。



だって空はあたしがここにいるのが嫌だから隼人くんが残ってほしいって言った言葉に怒ってたんじゃないのか?なのに今は何かを探るみたいにあたしをじーっと見つめてる。



押し黙るあたしに痺れを切らしたらしい、空が、銀色の髪の中に手を差しいれた。



「もう気づいてると思うけど俺らはただの高校生じゃねえの。へらへら笑ってお前には甘くしてるけど優は俺らの高校のリーダーだし。最初見ただろうけど、あーいう危ねえ事も平気でやる。血だらけになる事だって傷つける事だって傷つけられる事だって平気ですんだ」



優が何のリーダーだって?



「俺らはここらじゃかなり荒れてる高校の一つなんだわ。北原高校って聞いた事くらいあんだろー?」



その名前を頭の中で復唱する、聞いた事は確かにあった。