あんなに優しい優まで少し鋭い視線で空を睨みつけているし。翼に関してはそれを窘めるように視線を素早く優に滑らせていて。交錯し合う隼人くんと空の視線は未だ逸れない。
そんな場をーーーーーーーー。
「あ…ーの…」
沈黙に耐えられなくなったあたしがおずおずと挙手し、遮った。
四人の視線があたしに集まる。鋭いままに。
「あたしの事で仲悪くなるのはやめてもらいたい。あ…!ってこれは別にあたしのことで争わないでーみたいなのじゃなくて」
お前何言ってんだ、双子の視線が鋭く飛ぶ。うん、視線が痛いから今はふざけちゃいけなかったみたいだ。真面目に話そう。
落ち着け自分。あたしが一番年上なんだから。
「あのね 隼人くん。あたしは昨日遅かったから泊めてもらっただけなのさ。さっきも言ったけど優にお礼言ったら今日帰るつもりだったし。」
「で…でも俺は愛愛に居てもらいたいんだ。」
「ありがとう。でもみんなに迷惑かけられないから。隼人くんがいいならあたしの連絡先教えるからいつでも連絡してきてよ」
隼人くんが初めて心を開けたと言ってくれて嬉しかった。それに今は隼人くんに何があったとか聞けないけどいつか話してくれたら嬉しいと思ってる。
話を聞くぐらいならきっとあたしにも出来ると思う。良い言葉を言ってあげられるかどうかは分からないけど。