「うまいうまい!料理うまいんやな愛理ちゃん」
出来上がった新しい3人分のオムライスを繁繁と見つめながらも優が先に手をつけた。美味いと本心で微笑む表情がやけに甘ったるい。声色まで何となく優しげだ。
「よかった。」
「まあまあだな。70点くらいじゃね?ふわふわ感が甘いわ。もっとこうフライパンの使い方をこうすんだよこう。」
「そう言うなよ翼。これでも頑張ってたんだから褒めてやろうぜ?まあふわふわトロトロを期待した俺がバカだったんだ。」
「失礼な!ちょっとふわとろじゃないか!」
『えーどこがあ?』
「文句言うなら食うな」
ここら辺がと指さしたあたしに双子はそろってイヤイヤと頭を振って肩をすくめる。ここがふわとろじゃないか完璧に!全部ふわとろには出来ませんでしたけど、ちょっと崩れちゃった部分もありますけど。
「食ってやってんだからありがたく思えよ!」
「そうそう。食わないと残飯になっちゃうしなあ。優の家のごみを少しでも減らそうと思う俺らってなんて心が広いんだろーね」
「くそ、何てむかつく双子なんだ。もうちょっと人を褒める事が出来ないのかね」
「なら褒められるような事しろや」
「そういう事だな」
「きいいいいいいっ!!!!」
駄目だこの双子。せめて片方だけ小生意気なら何とかなりそうなものなのに、二人でタッグを組んだらどうしようもないな。罵詈雑言。
双子曰く残飯らしいオムライスを食べ終わった隼人くんはそんな様子をハラハラと見守っている。大丈夫だよ隼人くん。お姉さん負けない!
