「悪ふざけすんなや。愛理ちゃん困ってるやろ。愛理ちゃん…その、まああんまり気にすんなや?そんな胸がどうのこうのって…別に小さくたって」
「優ちん逆に傷えぐってるよ!」
「っ!ごめんっ」
「もういいんです別に…胸なんて一生…もういっそ男として生きればいいんでしょうかね」
「愛愛落ち着いて!」
「お姉さん妊娠すれば胸もでかくなるんじゃね?」
「おい、それででかくならなかったらどうすんだよ」
「もう終わりだろ女として」
「空ちょっと黙れや!」
胸の一件は数分後落ち着き、落ち着きと言うよりも敢えて皆その話題に触れようともしてこなくなった。どうあってもあたしの傷口をグリグリ抉る事となるからだろう。それはそれで酷い。
「ほ、ほら隼人、オムライス途中なんやろ?」
苦しい話題変換を口にした優さんに続き隼人くんも「お、おおっ!そそそそそうだったああ」演技どヘタに残っていたオムライスへとまたパクつく。
急ぎすぎてむせていらっしゃった。そんなに焦らなくていいんだよ?ゆっくり話題変換してくだされば。
そうして話題がオムライスへと移り。
「優ちん達も昼飯まだならオムライス作ってもらえば?」
隼人くんがケチャップを口の端っこにくっつけながらも提案した。
「そうやなあ。俺もオムライス食べたいー。」
「そ、そう?じゃあ作ろうか?」
「うん!」
「どっかの誰かさんに俺らの可愛い可愛い隼人が襲われるかと心配して昼飯食わずだったからな。早く作れよバカ女!」
おいおい翼の分は作るなんてまだ一言も。
「俺、卵はふわふわトロトロ好みだわあ。言っておくけど俺と翼は料理に関しては口うるせえよ?お姉さん頑張ってねー」
空まで、お前ら何様だ。
唇を尖らせ憤慨しながらも袖をしっかりと捲し上げ、コンロの火を着けフライパンを少々強く押し付ける。
何様だとか思いつつ、結局作っちゃう辺り甘いというより置いてもらった事を考えると何となく逆らえないんだよなあ。
