うむ、と頭を無意味に一度縦に振り、返信分は簡潔に纏めたものを送り返した。女子としていかんと思われる簡潔すぎる内容を。
【了解した!】
たったこれだけを。
短めに送り返した画面を確認し、リビングに入る前に台所へ行ってみようと、足を向けていたそれを一旦Uターンする。――――と言ってもどこが台所なんだろうか。
きょろきょろと廊下を見渡すと一つだけガラス張りの部屋を見つけた。すりガラスになっているそのドアの前に移動し、ドアノブへと恐る恐る手をかける。
優は好きなようにと言っていたけど、人様の部屋を勝手に漁って確認するのは気が引ける行為だ。
そろり、ドアを開けると台所らしき内装を確認。ビンゴである。
「おおっ。野生の直感的な」
台所を見つけた事でテンションが上がったあたしは恐る恐る、台所の中へと足を向け言われた通りに冷蔵庫をパカリ、開けて中を確認。
「ビールが何本かとお肉と卵とあと野菜が少し。」
中身確認をついつい声で出した後、頭を抱える。優くんあなた、ビールって未成年でしょ。しかし、そうだな、ふと考えてみると翼が呑んでいるところを想像した方がしっくりくるかもしれない。奴か。奴なのか。
何て悪い学生だと思ったけど、自分も過去を振り返ってみたら人の事は言えなかったので口を曲げた。
勝手に食べていいと言われたけどこの材料かーーーオムレツかな。オムライスでもいいな。ご飯はあるんだろうか。
