ちょちょちょちょっと待ってくれ。全然意味が分からない。
たった数分前出会ったばかりで知ってる事と言えば名前くらいなのに、そんな見ず知らずの人間に暫く暮らさないかとは一体どういう事だ。
「ええやんええやん。その道具だけって所を見ると家出みたいやしさ?俺の部屋広いし空き部屋もあるんやで」
「何言ってんだよ優!このちんちくりん女に惚れたのか?惚れちまったのか!?趣味わりー事言いだすんじゃねぇだろうな?血迷うな!やめとけ!俺は認めねえ!」
オレンジ男の肩を掴みグラグラと揺さぶる翼が「しっかりしろ!この女は悪魔だ!妖怪だ!」なんて騒いでいるが今は腹をたてる気にもならない。
「ここ俺んちやし別に俺の勝手やろ」
「まぁーそれはそーだけどよ。俺はびっくりだね。優ちゃん“いきなり何でまた?”」
銀髪男が滑り落とした手を再びあたしの肩へと上げてくる。何となく含みある言い方のように思ったがあたしには到底理解出来ない世界なので考える事をやめ、向かいのオレンジ男の返答を待つ。
オレンジ男は未だヘラヘラしたままに。
「んー、なんでやろなあ?愛理ちゃんが捨て犬みたいな顔で俺に助けを求めてきたから?」
そんな事を言うでは無いか。
「捨て犬!??優、眼科行け。そろそろメガネかコンタクト買って来いよ。捨て犬とか一緒にされた捨て犬が可哀想だわ。どう見たってドブねずみとかその変だろ。」
「ちょっと、それ失礼すぎる!」
「俺は本当の事を言ったまでですぅー」
「あ、あたしだってちょっとお目目キラキラパチパチさせれば捨て犬っぽく見えるような…」
「ばっかやめとけよ!超気持ち悪いんですけどおー!吐くわ」
おいその失礼さいい加減にしろ。それに捨て犬みたいな目はしていないから。それたぶん勘違いだと思われる。むしろあたしは一刻も早くここから帰りたいのだ。
