「まぁ、とりあえずこいつは大丈夫だろ。高校生じゃないって翼も言ってたしな。今回の事も黙っててくれんだろ?」
銀髪男が細い腕をこちらへと伸ばし親しげに肩を組んでくる。トントンと叩かれるその手に恐怖感が芽生えた。決して痛くは無いのに不思議だ。
あたしは首を千切れんばかりに縦にふった。
今日起きた事とか何一つ未だに理解はできていない。だから誰にも言ったりするつもりは最初から無い。
むしろこの場から早く立ち去りたかった。
オレンジ男は別として目の前の翼はさっきから鋭い視線を送ってくるし。横の銀髪からは嫌な色気とプラスしてあたしに敵意を向けてきているのが良く分かる。
ここに連れて来たものの何故かあたしをさっきから探るように見つめてきてる。
「あたし誰にも言わないし、今回の事とかも何が起きたかさっぱりなくらいだったから」
全然理解できないと必死に訴えて見せればオレンジの男は「うーん」唸った後あたしの顔を見て携帯、化粧ポーチ、財布をかかえている手を見つめてきた。
口を曲げ、全てを悟ったように数回頭を縦に振ると。
「愛理ちゃん 俺の家でしばらく暮らさへん???」
我が耳を疑うような発言をし出した。
一瞬あたしを含め翼、隣の銀髪男の時が止まったようだった。
ポカン間抜けな表情をしたあたしと同じように翼がぱちんぱちん瞬きを繰り返していて、あたしの肩を組んでいた隣の銀髪男の手もするすると滑り落ちていく。
三人揃って間抜けな表情でオレンジ男を見つめた後互いに一度見つめ合い。
『はあ?』
揃って同じ言葉を吐き出してしまう。
