「つーちんうっせえな!愛愛怪我してんだぞ!愛愛、今日は飯作らなくていいからゆっくり休めよ?」


「いやいや隼人くん、大した事無いのに休むなんて」


「大した事あるって!顔だぞ顔。本当許せねえ」



悔しげな表情をする隼人くんが「大丈夫か?」あたしの頬を撫でてくる。おいおい皆さん今日はやけに優しいな、お姉さん調子狂うからやめて。



隼人くんに優しく撫で続けられるあたしを見て、この場にたどり着いてから一言も言葉を発しなかったトシの彼女さんがおずおずと。



「あの……」



声をかけた。



隼人くんの様子を窺うようにしながらもトシの彼女さんは深く頭を下げて「本当にありがとうございました。」礼を言ってくる。




隼人くんはジロリ、彼女さんを睨めつけると静かにあたしから離れ翼が消えた台所へと追うようにして駆けていく。部屋に入った所でガチャン、少々乱暴に扉を閉めた。




それを見届けてから彼女さんに再び向き直る、確か名前は【杏】と言っただろうか。



「杏ちゃん怪我しなかった?」


「あたしは平気です。でも愛理さんが…」




あたしの冷えピタが張ってある頬へと視線を向ける杏ちゃんはとても申し訳なさそうな顔をしている。





あたしが気にするなと言いかけた所でパチン、優が軽く手を叩き。



「とりあえず上がって話せん?」



中へと「どうぞー?」促す。確かに玄関で立ち話も…。