「だから俺らと関わる覚悟があるのか?って聞いた時お前は覚悟があるって言っただろ。その覚悟は1人で今回みたいに一人でどうにかする事じゃねえんだぞ」


「ああ、理解しました!いや、でも今回は無我夢中でそんな事すっかり忘れてた」



「あれはお前がどれだけ覚悟があるのか知りたくてちょっと脅しただけだ。だから俺の言葉でお前が突っ走って怪我したのかと思ったら…まあ俺なりに反省したわけだ」




全然そうじゃないのに。ただほっておけなくて、やらなければいけないと思う気持ちの方が強かった。空に言われたからやったわけじゃない。



「今回の事はもう起きちまった事だから仕方ねえけど、次こういう事があったらちゃんと俺らを頼れ。何のために一緒にいんだよ」




何のために一緒にいんだよ。その言葉はすごく温かくて。不覚にも少し目頭が熱くなってしまったじゃないか。



空がそんなあたしを見て、苦笑しながらも片手で冷えピタが貼られた頬を優しく撫でる。傷を消すみたいにゆっくりと上下するように撫でて。



「酷い事するねえ、お姉さんは顔しか取り柄ないのにねえ。」




結局はそんな失礼な事を言う。



「本当失礼な奴だ。ちょっとウルっとしたのに台無しだ」


「でもねえ、俺は他人にはあんまり興味ねえんだけど大事にしたい人間はそれなりに居るわけだ。お前もその中の一人だよ」


「…知らなかった」


「そう?まあそれなりに、だけどな。だから俺がお前の事殴った奴見つけたらちゃんとお仕置きしてやるから任せなさーい」


「いいよ自分で見つけてビンタ仕返すから」


「だから可愛げがねえんだよ。そこで「きゃっ、お願い格好良い!」とか言えばまだ可愛げあんのに」




それは全然自分らしく無いから無理だ。そんな事を言っている姿を想像したら鳥肌しかたたなかった。気持ち悪いぞ。