「お姉さまっつうのはなシャンとした恰好で綺麗系の事言うんだよ。てめえのどこがお姉さまだ。プププ笑わせんなよ。大体黒髪のサラサラツヤツヤヘアーじゃなきゃ俺はお姉さまとは認めねえ。その髪色なんだよ」
何だと!確かにあたしの髪色は金髪にちょっと近い茶色だよ?けど君には言われたくないからね!!何だその眩しいど金髪は!
「後その髪型。俺とかぶってんだよ」
はああ?????
いやいやかぶってないでしょうよ。自分の髪を見せつけるようにして勢いよく引き寄せる。
ふわふわとしたパーマは確かにかかっているけども長さが全然違うと思う。胸下くらいの髪をぐいー引き寄せてから向かいに対峙するように立つ翼を確認。うん全然被ってはいない。
「何さ!あんた!さっきからやけにあたしに喧嘩売るよね?なんなのまじで?なんなの!!?その喧嘩買った!」
あたしはそう言ってガシっ!と翼の胸倉を掴んで大きく揺さぶりにかかった。グラングラングラングラン勢い良く怒りのままに振り回してやる。
「って、てめぇ!ふざけんな!!おえっ、苦しいからやめろ!」
知るか!!!!そっちが喧嘩売ってきたんだろ!!
止める事なくガックンガックン尚も揺さ振り続けているとふいに流行の着信音がどこからともなく流れてきた。
揺さぶっていた手をパっと離したと同時、あたしから飛び退くようにして退避した翼は荒い息を吐き出しながらも「信じられねえ暴力女だな!」捨て台詞をしっかり吐いて鳴り響く自分の携帯を派手なパーカーのポケットから引きずり出した。
「も、もしもしっ…、は?何でそんなに息上がってんだって?バカ野郎!今殺されかけてたんだぞ!……ああ…うん…分かった。後変な奴1人連れてくからな…おー!じゃっ」
淡々としたやり取りだけで通話を切り、携帯をポケットへと再びぐいぐいと押し込み終えた翼は恨めしそうにこちらを睨んでくる。
