なるほどそういう事か、納得した。何となく聞いた事はある気がしたけど、実際顔は分からない。ただの気のせいだったのかもしれない。



「俺が北原に入った理由は俺が中学の時から北原のリーダーとして有名やった関さんに憧れたからやねん」


「そんなに凄い人だったんだ」


「確か愛理ちゃんと同い年やった気がする」


「ほう」


「やけど高校ちゃうからね、聞いた事無いかもしれん。」


「なるほど関さんか!」



優は関さんって人に憧れてこの高校に入ったんだね。ほうほうと納得するように頭を振れば、優は熱弁するようにしてもう片膝を立て抱えるようにしながらも「そう!」大きく頭を振り返す。



何だか可愛らしい。



「俺が北原に行くって言ったら中学から仲良くなったあいつら、空達も着いて来る事になったんやけど。俺が入る前から北原と南原と東原と西原の高校は仲が悪くて、良くそこらで喧嘩してるのを目撃しとったな。」


「あたしも話は聞いた事あるよ。仲が悪かったって、」


「そう、やから高校入ってすぐ他校の奴等に絡まれる事が多くなった。その時も絡まれて喧嘩しとった時やったんやけど、相手が大勢で俺が手こずってたらそこに関さんが通りかかって助けてくれたのがきっかけで仲良くなった」


「そうなんだ!関さんがヒーローっぽい人ってイメージが出来たぞ」


「ヒーロー…、いやあの人は…」



優が思い出したのかおかしそうに口元を片手で覆いクスクスと笑う。