「愛理…(あいり)」
「へえ。」
「(へえって…)」
「ったくめんどくせーな。ちょっと着いて来い」
金髪は名前を聞いておいてさほど興味無さそうに生返事を返し、あたしの腕を強く掴んでくる。
ミシリと骨が悲鳴を上げるような痛さに顔をしかめたが悲鳴を上げる前に強く引きずるようにして歩きだした。
待って待って待って。
「ちょ 痛いんだけど!!どこ行くの」
「うっせーな ぎゃあぎゃあ騒ぐな。近所迷惑だわ」
「あ、あんたに言われたくないんだけども!ていうか騒ぎたくもなるだろ!!あんた名前聞くなら自分も名乗りなよ!!」
あたしが大声で怒鳴り抵抗するように両足を地面で突っ張るとズンズン歩いていた足をピタリと止めあたしに勢いよく振り返ってくる。
じーっと暫く納得いかなそうな表情であたしの顔を見つめた金髪は面倒くさそうに、
「青井 翼だ……(あおい つばさ)」
とそう答えた。名前は翼と言うらしい。なるほどと納得しながらも翼と言う男の顔を凝視してみる。
笑いながら他人を殴っていた事を差し引けばこれはイケメン系統だと思う。端正な顔立ちの中にまだほんの少し幼さ抜け切れないそれが見え隠れするのが何とも言えない。
薄暗い街灯に照らされた男の髪はキラキラと眩しいくらいの金髪で、ふわふわのパーマがかかっていた。
うん、こいつこの性格じゃなきゃ意外とモテるかもね。
