━━グイッ


歩いていると後ろから腕をだれかにつかまれる。


「…待って」

「…え?」


振り向くとそこには思った通りのひと。
あたしの好きな人がいた。


「…す、杉森くん?」

「俺も名前で呼んで」

「…え?」


こんなことを言われるなんて
予想もしてなかった。



「なんで俺だけ苗字なの」

「呼んでいいって言われてないから」

「しょったとか虎は呼んでもいいって言ったの?」

「いや、いつの間にかだけど」


杉森くんが何が言いたいのか全くわからなかった。