恋愛白書

「あー。篠原隣なんだ」


丈がふっと笑う。


いやだ。
ほかの子に笑いかけないでほしい。

あたしには目もくれないくせに。
バカ。


「あ、後ろやしなちゃんなんだ」


篠原さんが気まずそうにあたしを見る。


「俺もいるし」


神谷くんが篠原さんの頭を叩く。


「この席すごい…」


篠原さんがつぶやく。


うん。
たしかにすごい。

実際あたしたち四画関係みたいなもんだもんね。


丈がそれからあたしのほうを見ることはなかった。

プリントをまわすときとかも
あたしのほうを見ないようにしているのがわかる。