「あ。指輪。気をつけろよ、高跳びだろ?」


丈が思い出したように言う。


「そうだね。気をつける!」


指輪を触って答える。



「俺は走るだけだから大丈夫だけど、やしなは心配」


あたしにとって宝物のこの指輪。

初めて丈にもらったアクセも宝物。
もちろん毎日付けている。

丈にもらったものは
何でも宝物になるんだよ。

だから失くすわけにはいかないんだ。
大事にしなきゃ。
粗末になんかできない。

そう思っていた。
分かっていたんだよ。

絶対に失くしたくない。
そう、強い思いがあった。


丈との思い出は。
どれもなくしたくないくらい
大事な宝物なんだ。