「また跳ばないつもりだろ?」


丈があたしの顔を覗き込む。


「よくわかって…」


━━チュッ


あたしの言葉を遮って丈の唇があたしの唇に軽く触れる。


「丈!?」


あたしの顔はきっと真っ赤だろう。

「可愛いなー」


丈が優しい顔で笑う。


「丈のバカー!!」


丈に向かってイーっと舌を出す。


「バカで結構。明日は俺の応援しろよ?」

「当たり前」


ピースをする。


「明日は新記録出すぞっ!!」

「頑張ってね!!」

丈は運動神経が抜群。
毎回新記録を更新してるんだ。

バレーボールをしている丈も格好いいけど。
走ってる姿もまた格好いいんだ。


「明日は競技場に直接だからやしなの家の前で待ち合わせよう」

「わかった!!」

「じゃあ明日な!!」


いつもの別れ場所であたしたちはお互いの家に向かう。

また付き合いだしてからはこの分かれ道から一緒に朝登校して、この分かれ道まで一緒に帰る。

これだけであたしは幸せなんだ。