「あんたは?好きなやつとかは?」


やしなの幼なじみとかいう男が俺に視線を向ける。


「っ」


そんなん変わってねぇよ。
ずっとやしなだよ。

言いたかったけど言えなかった。

言葉の代わりにキッチンに目をやる。


やしなと目が合ってすぐに逸らしてしまう俺はんでもなくチキンらしい。


別れてからほぼほぼやしなとは口を聞いてない。


〝彼女〟


じゃなくて


〝好きな人〟


接し方がわかんない。


「ん?あっちにいんの?」


俺の視線にこいつもキッチンを見る。


てか、そこにはやしなの幼なじみの女とやしなしかいないから。

俺が好きなのはやしなだって言ってるようなもんだろ。


でも、こいつは
もともと気づいてる気がする。

そしてこいつもやしなが好きだとおもう。