恋愛白書

「神谷くん!そんな言い方!」


慌てて俺をかばうやしなが嬉しくて。


「みんな待ってるから。やしなのこと」


やしなの手を握る。


「ごめんね。神谷くん」


神谷をちらっと見てから俺についてくる。


「夜、神谷と話すの」

「聞こえてたんだ」

「…うん」


俺らにはなんとなく気まずい沈黙。


俺もやしなも神谷の話がなんなのかわかってる。

でも俺は、〝行って欲しくない〟なんていう権利がなくて。


ほんとは俺だけ見ててほしい。
でも、そんなことも言う権利もない。


俺はいま、何も言う権利がない。

この関係なんなのかな。
元彼だよな。


やっぱり手放されたものは大きくて。

後悔しかなかった。