「丈がすきだよ」

「うん」


やしなから言われる言葉は想像がついた。


「でも、もうほんとにあたしがダメで。頑張れなくてごめんなさい」


やしなが頭を下げる。


「やめろよ。やしなは何も悪くないじゃん」


俺はやしなの頭を上げさせる。


「でも、丈はこうしてあたしのことをおもってくれてるのに」

「俺が悪いのはわかってるから。俺がごめん」


俺も頭をさげる。


「友達に戻ろう」


やしなが俺の頭を上げさせる。


「…そう、だな」


友達か。
たぶん戻れねぇよ。

俺、やしなのこと好きだもん。


「つーか、俺ら旅行ごときくっついたり離れたりすんのな」


俺は笑う。


「ほんとだね」


やしなも元気なく笑う。


付き合い出した時は、宿泊学習で
別れるのは修学旅行。