「丈…。別れよう」


ロープウエイの中。

突然告げられた言葉。


「は?」


それしか言葉が出なかった。

そんなこと言われるなんて
予想もしてなかったから。


「別れたい」


今度ははっきりきこえた。


「…嘘、だろ」

「疲れた」


やしながふっと笑う。


「俺、やしなが好きなんだけど」


その言葉にやしなは何も答えない。
外を見ている。


こんな日がくるなんて思ってなかった。
やしなはずっと俺が好きだって。
思い込んでいたのかもしれない。


ってか、すべては自分のせいじゃねぇか。


神谷のこと気にして。
そんで、むしゃくしゃして
篠原と行動して。

なにやってんだよ。
好きなやつ傷つけてどーすんだよ。