「やしなちゃん、ちょっといい?」


神谷くんがあたしを手招きする。


「なに?」


神谷くんについて廊下に出る。


「あのふたり見た?」

「うん。てかなんなのみんなして」

「いいの?」

「どこがであったんでしょ?」

「違うよ」

「え?」


神谷くんの言葉に?マークで頭のなかが埋まる。


「昨日紗奈が丈に用あって電話したんだって」

「うん」

「そのときに丈から明日一緒に行こうって誘ったらしいの」

「そう、なんだ」


あたしはそれだけ言う。


「でもなんで知ってるの?」

「その後すぐに報告しにきたから」

「わざわざ?」

「あいつ、小学生のときからずっと丈が好きだからな」


神谷くんの言葉に胸をえぐられるきがした。