「やしな?」


歩き出さないあたしに丈が声をかける。


「あ、ごめん。行こうか!」


あたしは丈追いかける。


「修学旅行うまくいきそう?」

「まぁな。やしなは?」

「まぁね」

「真似すんなよ」


丈があたしの頭をくしゃって撫でる。


「真似してないもんー」

「なぁ、神谷と仲良くはなしてた」


丈が立ち止まる。


「え?」

「俺、気になってさ」

「丈?」

「めっちゃ何度もそっちの班見てた」


丈がはぁってため息をつく。


「...丈」

「俺、こんなに心狭かったけなー」

「狭いなんて」

「どうにかなりそうだもんな」


丈が辛そうな顔になる。


「...丈」

「あんまり考えないようにしなきゃな」


なんて丈が言うけど
ヤキモチやいてくれるのも嬉しくて。


きっと大丈夫
そう過信していたのかもしれない。