恋愛白書

「なんで謝んだよ。そりゃ辛いけどな。結構」

「...神谷くん」

「でも、やしなと丈がうまくいってんの嬉しいんだ。俺って結構Mかもな」


神谷くんがははって笑う。


「ありがとね。応援してくれて」

「...応援なんて」


神谷くんが切なそうな顔になる。


「...神谷くん?」

「なんでもない!ほら、丈どこ行けよ!」


あたしの背中をぽんっと叩く。


「じゃあバイバイ」


神谷くんに手を振って、カバンを手に取る。


「丈!帰ろう」

「おお、ちょっとこれ渡してくる」


丈がそうあたしに告げて、プリントを見せる。


「うん」


あたしの返事を背に篠原さんのところへ向かう。


神谷くんの幼馴染み。