「あーあ。俺だったらっ」

「ん?」

「俺だったら、やしなをこんなに苦しませないのにな!」


しょったが笑顔であたしの頭を撫でる。

しょった。
あたしを元気付けてくれてるんだね。
ありがとう。

しょったには昔から助けられてばっかり。
1年の時。
同じクラスだったときはしょったに頼りっぱなしで。
しょったが大好きだった。

でも、今は違う。
やっぱり、丈が好きなんだ。


「ごめんね」


あたしは感謝の意味を含めてそう言った。


「あ?謝るんじゃねぇよ!」


しょったがあたしの頭をぽんっと叩く。


「しょった...」

「俺が少し云うの遅かっただけだ!早くいってれば、ってずっと後悔してたよ」


しょったは悲しそうな目をしてそう言った。

しょったも。
あたしの気持ちに気づいてたんだね。

あたしも気づいていたし。
お互い気づいていたんだよね。