「ありがとうございましたー」


店員の声を背にコンビニのドアに手をかける。


ふと、透明のガラスから見えた光景。


「...っ」


抱き合っている男女。


やしなと神谷だった。


...もう手遅れなのか?


俺はいますぐ二人に気づかれないように去りたかった。

だから足早にコンビニから出て歩こうとする。


でも、勝手に口が動く。


「何やってんだよ。公衆の面前で」

俺は二人に向かってそう口にしていた。


俺の声にはじかれたように二人が離れる。