恋愛白書

「あたしは丈を解放したから」


絵里香さんが目を瞑って言う。


「え?」

「だから帰ってきたら迎えてあげてください」


絵里香さんが頭を下げる。


「言われなくても迎えます」

「え?」

「ちゃんとあたしだけを見てくれるなら迎えます」

「その言葉聞けて安心した」


絵里香さんがほんとに安心したように笑う。


「丈はこれから、バレー部の後輩の家に行くみたいだよ。まだその辺にいると思う」



絵里香さんが外を指す。


「行ってこい」


モリーがあたしの背中を押す。


「うん!」