「やしな?何で泣いてるの?」


カタンと音がしたかと思えば
大好きな人の声が降ってくる。


「なんでもない!丈には関係ないから!」

「でも」


丈があたしに駆け寄ろうとする。


「丈のための涙なんかじゃねぇよ」


モリーが丈の腕を掴んで阻止する。


「オマエ、やしなの気持ち考えたことあるのか?やしなの辛さわからねぇのか?必要以上に話しかけるなよ」


モリーが冷たく言い放つ。


「モリー...」


あたしはモリーを見る。


「...ごめん」


丈はそれだけ言って、机から何かをとって走っていく。