「やしなちゃんさ」


神谷くんが振り向く。


「え?」

「丈と別れたの?」

「そうなるね…」


丈と別れてから5日ぐらい経ったかな。
丈は何度か話しかけようとしていたが、あたしがすべて避けた。

今ではそんなこともなくなった。
諦めたのかな。


諦めたら諦めたで嫌なんて
わがままだよね。

だって、それでも
ずっと好きだし。


「俺だったら」

「え?」

「悲しませないのになー」


神谷くんが伸びをしながら言う。