君と、ゆびきり

☆☆☆

中学校の卒業式は小学校とは違ってアッサリしたものだった。


校歌や卒業の歌は歌うけれど、それ以外で卒業生の出番は少なかった。


それでも、先生たちからの別れの言葉を聞いた時には、体育館のあちこちにすすり泣きの声が聞こえてきていた。


あたしもつられて涙腺が緩くなるのを感じた。


「泣かないで」


そんな声がどこからか聞こえて来てあたしは顔を上げた。


目をこすり、視界をクリアにするがあたしへ向けて話かけている生徒はどこにもいない。


気のせい?


そう思った時だった。


赤いワンピースの小さな女の子があたしの隣に立っていた。


思わず悲鳴を上げそうになり、手で口を押えた。


いつの間に!?


気配もなければ足音も聞こえて来なかった。


あたしの心臓はバクバクと跳ねまわっている。


この子は誰だろう?


卒業生の家族?


だとしても、なんでこんなところに紛れてるの?