気分は最低だった。


あたしはあれから風と会っていないし、連絡も取っていない。


あたしから連絡をすることもないし、風からの連絡もない。


それなのに、あたしは気が付けばスマホの画面をジッと見つめていた。


風から、もしくは病院から連絡がないかと待っている自分がいた。


玲子には、あたしが何度も同じ時間を繰り返しているという部分を覗き、風との関係が良好ではなくなったことを話していた。


「千里、風に連絡してみたら?」


玲子はそんなふうに何度もあたしに言って来たけれど、あたしはその度に左右に首を振るだけだった。


そして風の頬を叩いてしまった自分の右手を見つめるのだ。


どうしれあたしはあの時、あんなことをしてしまったのだろう。


後悔は渦のようにあたしを飲みこんでいく。


重たくて苦しい後悔は、決してあたしを離しはしなかった。