君と、ゆびきり

振り向くと玲子の悲しそうな顔が見えた。


「千里、あたしたちは帰ろう」


「え……?」


あたしは玲子の言葉に耳を疑った。


「な……んで?」


あたしはここに残る。


帰りたければ先に帰ればいい。


「風が困った顔してる」


そう言われて風を見ると、風は苦しげな呼吸を繰り返しながらも、無理して笑い続けていた。


あたしのために風は無理をしている。


あたしがここにいると、風は安心することができないんだと、すぐにわかってしまった。


「風……」


「千里、行こう」


玲子があたしの手を握る。


その手は微かに震えている。


ここにいてもあたしたちにできる事なんてなにもない。


風に気を遣わせてしまうだけだ。