君と、ゆびきり

空は徐々にオレンジ色になりはじめ、もう数時間で太陽は眠りにつくだろう。


「千里、今日はほんとうにありがとう」


そう言って、風はあたしの手を握りしめて来た、


ビーズの指輪がキラリと光る。


「もう、やめてよ、くすぐったいじゃん」


そんなにお礼を言われると居心地が悪くなってしまう。


そう思って風の手を離そうとした。


しかしその手は強く握りしめられていて、あたしは風を見た。


風はいつものように笑顔を浮かべてあたしを見ている。


そしてまた言った。


「ありがとう」


それはまるで、最後のお別れの挨拶のように感じられて、あたしは咄嗟に風から視線を外したのだった。