「でも、あたしはもう150回同じ時間を繰り返してる。だから今度こそ、なにかを変えれるかもしれないよね?」


そう言うと、チアキは驚いたように目を丸くしてあたしを見た。


「そんな風に言ったのは初めてだよ」


「え?」


「ゆびきりの時間まで戻って、すべてを思い出した千里は、繰り返す毎日にうんざりしてた。今みたいに前向きになることはなかった」


「そう……だっけ?」


思い出せなくて首をかしげる。


「今度はなにか変るかもしれない」


チアキはそう言うと、煙のように消えてしまったのだった。