結局、僕達が学校を出たのは、日が暮れ暗くなった頃だった。

夏休みの時の様に彼女を駅まで送り、帰宅した。

流石に玄関で仁王立ちしている母までは同じでは無かったが…

いやそこまで同じであられては、僕が困るというものだ。

次こそは父も助けてはくれないだろう。

そう思いながら、靴を脱ぐ。

夕飯の時刻には間に合ったようだ。

夕飯に力を入れる母は、夕飯を食べないだけでも大問題だ。

父も意外と一家団欒を大切にする人で、父も夕飯を家族一緒に食べたがる。

一度夕食を食べなかった時、母は一晩中泣いた。

私のご飯は美味しくないのねという台詞付きだ。

乙女か!という僕のツッコミはやめておく。

更に泣かれそうだからだ。

心だけは若い母(周りに比べれば実年齢も低いが…)は、異常な程に面倒臭い。

これ以上ない程、面倒臭い。

父はよく母に惹かれたものだ。

僕も将来、あんな人と結婚するのだろうか…

別に母が嫌いな訳ではないが、疲れそうだ。

まぁ、上手いことに母の尻に敷かれた僕は、かなりの真面目ちゃんで育って来たと思う。

反論でもすれば、その後が怖い。

しっかりと門限である7時には家に帰り、夕飯を食べる。

門限7時というのはいささか厳しすぎるとも思うが、慣れさえすれば当たり前のようになる。

全く、慣れとは、恐ろしいものだ。

そんないつも通りの日々を僕は送った。

転校生の件を除いて…