「お昼の時間になったぞー。名前順で食堂に自分の取りに行って。今日弁当があるやつはそれ食べろー。昼ごはんもかねて自由時間だから教室からでてもいいが話し合いでのことは言っちゃいけないからな。なるべく教室でご飯は食べろよー。」
私は弁当があるのでそのまま隣のクラスへ向かった。どうやら隣のクラスも人狼ゲームをしているらしい。友達が言うには学年で各クラス人狼ゲームが行われているらしい。
「てかさ聞いてよ!私狐だよ?妖狐!どう思う?」
「どう思うって言われても〜人狼ゲームやったことないし。」
友達の立花 叶恋である。叶恋なんて名前が可愛いと昔から思っていた。
「そういう叶恋は人狼ゲームやったことあるの?」
「あるよー!」
「ちょっと私なんかすぐ終わっちゃいそうな役職なんだけどー!」
「んーまぁあれじゃない?人狼とかなら占い師だって言ったり?」
「なるほど〜ありがとう!」
たわいもない話で盛り上がった。
昨日のテレビがどーとかあの歌いいよねとか流行りのものとか。
そして時間がたち放送が入ったのである。
「投票時間5分前になりました。自分の教室にいない人は殺します。今すぐ帰りなさい。」


「い、今の何?」
「さ、さぁ?私とりあえず戻るね。」




そして教室に戻ったのである。





「今から教室にいない人を射殺します。2年△組〇〇〇〇、2年▽組〇〇〇〇………………2年5組相田 奏汰………2年△組…………。」



「今2年5組って、」


「奏汰……?」



本当に射殺されたのだろうか。ここ、2年5組に確かに相田 奏汰という生徒はいる。彼は今トイレに行っていたはずだ。1番焦っているのは男子の中でアニオタ地味軍団と呼ばれている人たちだ。相田はその地味軍団の1人だ。宇田と岩田 翔太と仲がいい。

クラスの誰も、突然過ぎて頭が追いついていない。

「先生、ホントに殺されるんですか?」

そう聞いたのは岩田だった。先生は何も答えずに下を向いた。
しばらくして首を降り顔を上げこう言ったのだ。

「投票時間になったからお前らには名前順で投票してもらう。投票が終わるまで静かにしてるんだぞ。投票が終わったらまた自由時間だから。」

声は震えていた。だが岩田は納得のいかない様子だった。

「先生、ホントになんのゲームなんですか!?僕、殺されるのなら帰りますよ!?」
「あぁわかってる、だがしかたないんだ。許してくれ………。」
「あぁそうですか。先生じゃ話になりません。帰ります。」
「待て!行くな、死ぬぞ………?」
「帰る前に奏汰が死んだのか見て帰りますね」
「待ってくれ……………!」
岩田は教室のドアを開け出ていった。トイレの方向へ歩き始めたところに放送がなった。
「2年5組岩田 翔太、あなたのクラスは投票がまだ終わってません。今すぐ教室に戻らなければ射殺します。行動猶予は10秒です。10、9、8、……………」
「だから言ったんだよ!」
先生はそういった途端岩田を追いかけた。みんなも何事かと窓から除き見ていた。
「5、4、3、2、1。教室に戻らなかったので射殺します。GMの西條 新斗先生は投票を行ってください。」


ーーーーパンッッッッッ!!


放送終了後すぐに聞こえた発砲音。窓から除き見ていた人たちの悲鳴があがる。その悲鳴と発砲音を聞いた周囲のクラスが窓から顔を出した。
悲鳴が鳴り止まない。先生は抜け殻のように立ち尽くしていた。
「GMの西條先生、教室へお戻りください」
ふと、放送が聞こえた。先生はそのまま教室へ戻ってきた。先生の顔は見れるような顔ではない。いつも笑顔の先生はどこにもいなくなっていた。
その間でもまだ悲鳴は収まらない。
「静かにしてください!!!」
ドアを開け入ってくる時に先生は大声で怒鳴った。雰囲気がいつもと違う。先生はおちゃらけた感じで少しくらいうるさくても注意はあまりしない。ここはというときに注意するような先生だ。状況も状況なのに静かにと怒鳴ったのだ。そのためうちのクラスは一瞬で静かになったのだ。
「投票を、開始します。」
先生が白紙の紙を配る。そして前に箱が置かれる。
「そこに名前を書いてほかの人に見せないように細かく折りこの箱に入れてください。」
まるで機械のように淡々と言う先生。きっといつもの先生なら生徒にはあまり敬語を使わないのに。みんなは黙ったまま紙に名前を書き出した。
「嫌だ、嫌だ……いやだいやだいやだぁ!死にたくないぃい!!」
大声でこんなことを叫ばれびっくりしたみんなが言った本人へ視線を向ける。そんな情けない声を出したのは宇田だった。
「静かにしないと殺されます。静かに。」
「いやだぁぁぁ!」
先生の静止の声も聞かずに騒ぎ始める。きっと投票された人が殺されると思っているのだ。喚いていると先生はゆっくりと宇田に近づき口にガムテープを貼ったのだ。
「んぅ!?」
気持ち悪い声を出しながらガムテープを貼られる宇田。
「静かにしろ。」
先生はひどく冷たく低い声で言った。その声を聞いたからか宇田はガムテープを剥がすことなく名前を書き始めた。
そして名前順に箱に入れていき全員が投票した頃。
「今から投票結果を発表いたします。」
先生が黒板に正の字を書いていく。1番多かったのは、宇田だった。正確に言うと宇田にはクラスの全員が入れていて宇田自身は違う人に菊池に入れていたのだ。
「宇田てめぇ俺に入れやがったな?」
「宇田 竜介が処刑されます。」
「ちょっと殴らせろやコラぁ!」
菊池が殴りかかるそれから宇田を離しそのまま廊下へ出ていったのだった。
「んだよ!!」
菊池はそういうとそのまま教卓を蹴りあげ教室を出ていった。投票は終わったから出るのは大丈夫だろう。クラスのみんなはなかなか動かなかった。先生はどこに連れて行ったのだろう。
シーンとしたままなのが続きさっきの騒動で思ったより時間が経っているらしく、そのまま先生が帰ってきて夜のターンが始まったのである。